
展示会の効果測定に用いる指標と実施のポイント|KPI設計からROI算出まで解説
※2026年5月14日更新
展示会の効果測定とは、出展にかかった費用に対して得られた成果を定量的に評価するプロセスです。主要な測定指標はリード数・商談数・受注件数の3つで、ROI(投資利益率)の算出が基本的な測定方法となります。効果測定の精度を高めるには、出展目的に応じたKPI設計、短期〜長期のタイムラインに沿った段階的な評価、MAやSFAなどのツール活用も有効です。
展示会はオンライン・オフラインを問わず、リード獲得につなげるために有効な施策の一つです。
しかし、「展示会でどれくらいの効果があったのか分からない」「集客や商談移行につながらなかった原因が分からない」と、うまく改善につなげられていないケースもあるのではないでしょうか。
次回の展示会をよりよいものに改善するためには、いくつかの指標に基づいて効果測定を行うことが重要です。この記事では、展示会の効果測定に用いる指標や具体的な測定方法、KPI設計の考え方、測定のタイムラインまで体系的に解説します。
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目次[非表示]
- 1.展示会の効果を測る指標とは
- 1.1.①リード(見込み顧客)数
- 1.2.②商談数
- 1.3.③受注件数
- 2.展示会のKPI設計の考え方
- 2.1.展示会の特性を理解する
- 2.2.KPIは“分解して設計する”のが重要
- 3.目的別に見るKPI設計パターン
- 4.展示会の効果を測定する方法
- 5.効果測定のタイミング
- 6.ツール活用で効果測定を効率化する
- 7.展示会の効果測定を行うポイント
- 7.1.①目的と目標を明確にする
- 7.2.②PDCAを回す
- 7.3.③人的リソースから逆算する
- 8.まとめ
展示会の効果を測る指標とは
展示会の効果を測定する際は、定量的に評価できる指標を設定する必要があります。代表的な指標として、以下の3つが挙げられます。
①リード(見込み顧客)数
展示会の効果測定に欠かせない指標が、リード(見込み顧客)の数です。
どれくらい新たなリード獲得につなげられたのか、リード獲得のプロセス別に測定することで、事前の集客施策や開催中のアプローチ方法などの問題点を把握できます。
▼指標の具体例
- 事前の申込数や名刺交換数
- アンケートの回答数
- パンフレットやカタログの配布数 など
リード数を評価する際は、訪れたときの興味関心が高い人や役職の高い人には点数を高くつけるなど、商談のつながりやすさに応じて配点することもポイントです。
②商談数
展示会中・展示会後に行われた商談数も、展示会の効果を測るための有効な指標の一つです。
商談数を測定することで、「展示会で来場者の関心喚起ができたか」「担当者が契約・購買を後押しできたか」など、アプローチの効果を把握できるようになります。
商談数を基に評価する際は、接客のみで終わった人、次回のアポイントを取りつけた人など、温度感に合わせて配点することがポイントです。
③受注件数
展示会の効果をもっとも測りやすい指標といえるのが、展示会中・展示会後に受注に至った件数です。
受注件数を指標とすることで、展示会の実施によって最終的な売上にどれくらい貢献したのかを把握できます。
ただし、単価が大きく異なる商材が混在していると、受注件数だけでは正確な効果を測れないため、受注額とあわせて測定・評価することが求められます。
展示会のKPI設計の考え方
適切な効果測定を行うには、展示会特有の性質を理解したうえで、KPI(重要業績評価指標)を分解して設計することが重要です。
展示会の特性を理解する
展示会の特徴は、主催者が集客を代行してくれる点にあります。自社単独ではアプローチが難しい層と接点を持てるため、特に知名度の向上を目指す中小企業にとっては貴重な機会です。
一方で、来場者は毎年大幅に入れ替わるわけではなく、業界関係者やリピーターが継続的に訪れる傾向があります。そのため、成果を最大化するには「来場者の総数」を追うよりも、「目の前の来場者にどれだけ接触できたか(タッチ率)」や「どれだけ深いコミュニケーションをとれたか」に注力するのが望ましいといえます。
KPIは“分解して設計する”のが重要
目標をただ「リード獲得100件」と置くだけでは、未達だった際にどこに原因があったのかを特定できません。以下のようにファネル(漏斗)を用いてプロセスを分解することで、ボトルネックが明確になります。
来場者数 ↓ タッチ率:来場者のうち、何人がブースに立ち寄ったか ブース接触数 ↓ アンケート回収率:接触した人のうち、何人が有効な情報を残したか 有効リード数 ↓ 商談化率:リードのうち、何%が商談に進んだか 商談数 ↓ 受注率:商談のうち、何%が成約したか 受注数 | |
例えば、目標を「30件の商談獲得」とする場合、過去の平均的な確率(タッチ率10%、商談化率10%など)から逆算して、必要な来場者数やスタッフの対応数を算出します。このように「確率」で設計することで、現場での具体的な行動指針が定まります。
目的別に見るKPI設計パターン
出展目的が曖昧なままでは、効果測定の結果を次の施策に生かすことができません。目的に応じて追うべきKPIを使い分ける必要があります。
パターン①:認知向上が目的の場合
自社や商材をまだ知らない潜在層へのアプローチが主眼となります。できるだけ多くの来場者との接点を創出し、接触機会を増やすことが重要です。
KPI | 指標の内容 |
ブース来場者数(訪問者数) | ブースにどれだけの人が立ち寄ったか |
パンフレット・ノベルティ配布数 | 用意した資料やノベルティがどれだけ配布されたか |
SNSでのエンゲージメント数 | 投稿数やハッシュタグの拡散状況 |
自社サイトへのアクセス数 | 会期中・直後の流入増加率 |
認知向上を目的とする場合は、リードの数や質よりも「どれだけ多くの接触機会を生み出せたか」を重視することがポイントです。
加えて、SNSやWebサイトへの流入などオンラインでの反応もあわせて確認することで、展示会がどの程度認知拡大に寄与したかを多角的に評価できます。
パターン②:リード獲得が目的の場合
今後の営業活動につながる見込み顧客の情報を獲得することが目的です。単なる接触ではなく、商談化につながる「質の高いリード」を集めることが重要となります。
KPI | 指標の内容 |
リード獲得数 | 名刺交換数・アンケート回答数 |
リードの質(スコアリング) | 業界・役職・決裁権の有無など |
アポイント獲得数 | 個別相談や商談の約束が取れた件数 |
リード獲得を目的とする場合は、数だけでなく質にも注目する必要があります。ブース内での滞在時間や説明を聞いた人数なども把握することで、展示内容がターゲットに適していたかを評価できます。
パターン③:受注拡大が目的の場合
具体的な売上への貢献を重視し、展示会を商談・受注につなげることが目的です。獲得したリードがどの程度成果に結びついたかを評価することが重要となります。
KPI | 指標の内容 |
商談化率・受注率 | 展示会リードがどの程度の割合で成約に至ったか |
ROI(投資対効果) | 出展費用に対してどれだけの利益を得られたか |
受注拡大を目的とする場合は、展示会単体の成果だけでなく、その後のフォローアップも含めて評価することが重要です。特にBtoB商材では検討期間が長くなるため、ナーチャリング(顧客育成)プロセスにおける転換率も併せて追跡する必要があります。
展示会の効果を測定する方法
展示会の効果を測定するには、ROI(Return On Investment)を計算することが一般的です。ROIとは、投資した金額に対してどれくらいの利益を得られたのかを表す数値です。
出展費や設営費、人件費、印刷費など、展示会の出展にかかったすべての費用を考慮したうえで、最終的にどれくらいの利益を得られたかを算出できます。
▼ROIの計算式
ROI=展示会で得られた利益 ÷ 展示会にかかった費用総額 × 100 |
費用総額が500万円の場合、300万円の利益を得た場合は以下のとおりです。
▼計算例
300万円 ÷ 500万円 × 100=60% |
上記の計算式のうち、“展示会で得られた利益”を求めることが難しい場合、“リード数”や“商談数”、“受注数”などに置き換えることで、異なる指標に対する費用対効果を把握することが可能です。
費用総額500万円の展示会でリード数(申込数)が2,000件あった場合の計算例は以下のとおりです。
▼計算例
2,000件(申込数) ÷ 500万円 × 100=0.04% |
算出されたROIのパーセンテージが高いほど、費用効果が高いという結果になります。
ROIの数値が高いほど、費用対効果が高いと判断できます。一方で、単一の指標だけで評価するのではなく、複数の指標を組み合わせて分析することが重要です。
例えば、以下のような指標を併せて確認すると、より精度の高い効果測定が可能になります。
- CPA(Cost Per Acquisition):リード1件あたりの獲得単価。「展示会費用総額 ÷ リード獲得数」で算出
- LTV(Life Time Value):獲得した顧客が長期的にもたらす売上
- 各プロセスの転換率(コンバージョン率):来場者→接触→リード→商談といった各段階の転換率
これらを分析することで、「ブース設計に課題があり来場者の接触数が少なかったのか」「説明内容に課題があり商談化につながらなかったのか」といった改善ポイントを特定できます。
単に「良かった・悪かった」で終わらせるのではなく、数値として振り返ることが、次回の展示会の成果向上につながります。
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効果測定のタイミング
展示会の効果測定は、会期終了直後だけでなく、中長期的なスパンで段階的に行う必要があります。
▼タイミング例
タイミング | 計測する数値 |
短期(会期終了〜1週間以内) | ブース来場者数、名刺交換数、会期中の即決商談数などの速報値を確認する |
中期(1〜3ヶ月後) | お礼メールや電話によるフォロー後の商談化率、アポイント獲得数、見積もり提出件数を計測する |
長期(6ヶ月〜1年後) | 最終的な受注件数・受注額を算出し、ROIやCPAを確定する |
BtoBビジネスでは検討期間が長いため、会期直後の数字だけで「失敗」と判断するのは適切ではありません。継続的にデータを追跡し続ける姿勢が求められます。
ツール活用で効果測定を効率化する
正確かつ効率的に効果測定を行うためには、デジタルツールの活用が有効です。
数多くのリードを獲得するなかで、名刺情報を手入力したり、表計算ソフトでフォロー状況を管理したりするのは限界があります。SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)を導入し、展示会のデータを紐づけることで、獲得した顧客がその後どのような動きをしたかを一貫して追跡できます。
また、オンライン展示会の場合は、アクセスログを詳細に取得できる点が大きなメリットです。
例えば、ビークスのオンライン展示会システム「caspa+a(キャスパー)」では、予約管理や当日の問い合わせ対応に加え、開催後の詳細なレポート作成にも対応しています。
どのコンテンツがよく見られたか、誰が資料をダウンロードしたかといったデータを活用することで、確度の高い見込み顧客への迅速なアプローチが可能になります。
展示会の効果測定を行うポイント
展示会の効果を正しく測定して、次の機会に向けてブラッシュアップしていくために、指標の設定方法や運用方法などで気をつけたいポイントがあります。
①目的と目標を明確にする
指標を設定する際は、何のために展示会に出展するのか、目的を明確にする必要があります。目的に対してどれくらい達成できたのかを測るためには、効果測定を実施します。目的があいまいな場合、効果が得られたのかどうかを正確に判断することが難しく、改善につなげられません。
また、目的と併せて、リード獲得数・商談数・受注件数などの指標ごとに具体的な数字目標を設定することもポイントです。具体的な目標を設定することで、目標をどれほど達成できたのか、あるいは達成できなかった原因は何かを客観的に評価・分析できるようになります。
②PDCAを回す
効果測定は、一度実施して終わりではありません。特に、複数回にわたって展示会に出展する際は、失敗点・改善点を客観的に分析・評価して、次回以降の展示会で改善策を実施できるようにPDCA(Plan・Do・Check・Action:計画・実行・評価・改善)を回すことが重要です。
PDCAを回すことで、より効果的なアプローチを検討できるようになり、展示会による成果も高まると期待できます。
③人的リソースから逆算する
展示会の成果は、スタッフの人数や対応可能数にも左右されます。例えば、1人で対応できる来場者数やアンケート回収数には上限があるため、人的リソースを踏まえた設計が必要です。
▼人的リソースの設計例
スタッフ : 5人 1人当たりの対応数 : 1時間当たり10名 対応時間 : 6時間 計算 : 5人 × 10名 × 6時間 = 最大接触数300名 | |
このように「現場の処理能力」を踏まえてKPIを設計することで、実現可能性の高い目標設定が可能になります。
まとめ
この記事では、展示会の効果測定について以下の内容を解説しました。
- 展示会の効果を測る指標とは
- 展示会のKPI設計の考え方
- 目的別に見るKPI設計パターン
- 展示会の効果を測定する方法
- 効果測定のタイミング
- ツール活用で効果測定を効率化する
- 展示会の効果測定を行うポイント
展示会の効果測定は、単なる結果発表の場ではなく、次のビジネスチャンスを広げるための重要なプロセスです。
プロセスごとにKPIを分解し、短期から長期までのフェーズで計測を続けることで、展示会が売上にもたらす真の貢献度が見えてきます。社内のリソースだけでこれらの準備や運営、効果測定の設計を行うことが難しい場合には、専門の制作会社に相談するのも一つの方法です。
『ビークス』では、20年にわたる展示会サポートの実績を基に、企画から運営、そして成果につながる空間デザインまでをトータルでプロデュースしています。展示会の効果測定や目標設定に課題を感じている企業さまは、ぜひお気軽にご相談ください。
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