展示会のパネルを制作する際の8つのコツと注意点
※2024年11月11日更新
展示会で装飾するパーツの一つに自社ブースに設置するパネルがあります。パネルの役割は、来場者に商材の魅力を分かりやすく伝えることです。多くの競合他社がいるなかで来場者の目を惹くには、記載内容やデザインにこだわることが重要です。
マーケティング担当者のなかには、「来場者を惹きつけるパネルを作るにはどうしたらよいか」「どのような制作方法があるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会に用いるパネルを制作する際のコツと作り方を解説します。
目次[非表示]
- 1.展示会に用いるパネルの種類
- 2.展示会のパネルを制作する際の8つのコツ
- 2.1.①商材の魅力が伝わるキャッチコピーを入れる
- 2.2.②画像やイラストを取り入れる
- 2.3.③レイアウトの4原則を守る
- 2.4.④遠くからの見え方を意識したデザインにする
- 2.5.⑤余白を取り入れる
- 2.6.⑥商材のイメージに合う配色に統一する
- 2.7.⑦読みやすく分かりやすいフォントを選ぶ
- 2.8.⑧インタラクティブ性を取り入れる
- 3.展示会のパネルを制作する際の注意点
- 4.展示会におけるパネルの作成方法
- 4.1.①自社で制作する
- 4.2.②外部の事業者に依頼する
- 5.まとめ
展示会に用いるパネルの種類
自社ブースに設置するパネルには、主に3つの種類があります。
▼展示会に用いるパネルの種類
種類 |
概要 |
スケジュールパネル |
タイムスケジュールを記載するパネル |
会社案内パネル |
自社の概要や取り扱っている商材などを記載するパネル |
商材紹介パネル |
商材の特徴や価格、事例などを記載するパネル |
スケジュールパネルには、出展期間やセミナー・デモンストレーションなどのタイムスケジュールを記載します。
会社案内パネルでは、会社概要や取り扱っている商材、会社の強みなどを紹介します。
商材紹介パネルは、展示会のメインとなる商材の特徴や価格、事例など展示する商材について分かりやすく伝えるパネルです。商材の特徴や解決できる課題などを簡潔にまとめて、興味関心を喚起することを目的としています。
なお、展示会ではパネル以外にもブースのディスプレイも重要です。ディスプレイのポイントについてはこちらの記事で解説しています。
展示会のパネルを制作する際の8つのコツ
展示会に設置するパネルを制作する際は、ひと目で内容が分かりやすく、来場者に商材のコンセプトやブランドイメージが伝わるようにすることが重要です。
①商材の魅力が伝わるキャッチコピーを入れる
パネルに商材の魅力をひと目で表したキャッチコピーを入れることで、どのような商材を展示しているのかをすぐに理解してもらいやすくなります。
来場者の目を惹くキャッチコピーを作成するには、商材のターゲットを明確にして、興味関心を刺激するワードを盛り込むことがポイントです。
▼キャッチコピーを作成する際のポイント
- 競合他社との差別化できる要素を盛り込む
- 来場者にとっての利益になる情報を示す(実績や業界でのシェア、販売数など)
- ターゲットの課題・ニーズを解決する内容を記載する
なお、自社ブースに来場者を惹きつけるには、ブースのデザイン・装飾も大切です。詳細はこちらの記事をご覧ください。
②画像やイラストを取り入れる
会社案内パネルや商材紹介パネルには、画像やイラストを取り入れることも有効です。目を惹くフォントサイズ・デザインを意識しながら、画像やイラストを取り入れることで直感的に内容を理解してもらいやすくなります。
また、商材のコンセプト・ブランドイメージを表現すると、言葉では伝わりにくい雰囲気や価値観を視覚的に伝えられます。画像・イラストは、パネルの設置場所や、記載する内容に合わせて検討することがコツです。
▼画像やイラストを取り入れた例
- 商材紹介のパネルで、使用風景を表したイラストを入れる
- 商材のコンセプト・イメージを表した背景やキャラクターを入れる
③レイアウトの4原則を守る
来場者が見やすく、情報を理解しやすい展示会のパネルを制作するには、レイアウトの4原則を意識することもコツの一つです。
レイアウトの4原則とは、分かりやすく伝えるために文字や画像、色などの視覚的な要素を定めたルールのことです。展示パネルの文字や色、デザインなどを考える際にレイアウトの4原則を守ることで、来場者に内容が伝わりやすくなります。
▼レイアウトの4原則
項目 |
ルール |
近接 |
同じカテゴリの情報は近くに配置する |
整列 |
文字や写真の大きさ・配置を揃える |
強弱 |
情報に強弱をつけて重要な情報は目立たせる |
反復 |
文字のフォントや色、配置ルールを統一する |
④遠くからの見え方を意識したデザインにする
遠くからの見え方を意識したデザインのパネルをブースの外から見える位置に設置すると、集客効果が期待できます。
▼遠くからの見え方を意識したデザインの例
- キャッチコピーを大きく表示する
- 遠くからでも見やすい配色・フォントを用いる など
特に、展示会場の入り口から続く動線上での見え方については、設営時にも意識しておく必要があります。
⑤余白を取り入れる
商材紹介パネルには、余白を取り入れることもコツの一つです。
商材の詳しい情報や説明文などをパネルに詰め込みすぎると、読みづらくなり目を通してもらいにくくなります。パネルに記載する情報は、来場者の興味関心を喚起するための情報に絞って、簡潔かつシンプルにまとめることが重要です。
また、商材に関する詳しい情報については、商談・セミナーに誘導したり、資料やパンフレットを配布したりして提供する必要があります。
⑥商材のイメージに合う配色に統一する
展示会に設置するパネルのデザインは、ブース全体の印象や雰囲気にも影響します。来場者に魅力的な印象づけを行うには、商材のプロダクトカラーやブランドイメージを表現する配色に統一することがコツです。
また、使用する色を3色に抑えると、パネルのデザインに統一感が出ます。3色はベースカラー・メインカラー・アクセントカラーに分けられ、70%:25%:5%の割合で配色するとよいといわれています。
▼商材イメージに合わせた配色の例
製品 |
イメージに合わせた配色例 |
環境に貢献する製品 |
自然を思わせる緑 |
医療に関する製品 |
誠実さや清潔な印象がある青 |
生活や食品関連の製品 |
明るくカジュアルな雰囲気があるオレンジ |
⑦読みやすく分かりやすいフォントを選ぶ
パネルに用いるフォントは、読みやすさと分かりやすさを基準に選定することが重要です。デザイン性の高い複雑なフォントを使用すると、パネルの内容が来場者に伝わりにくくなります。
形や太さなどを比較して、より可読性の高いフォントを選ぶことがポイントです。
⑧インタラクティブ性を取り入れる
パネルにインタラクティブ性を取り入れると、ブースを訪問した来場者からの能動的な行動を引き出すことができ、興味・関心を持ってもらいやすくなります。
▼パネルにインタラクティブ性を取り入れる手法
- インタラクティブディスプレイを用いる
- 商材の詳細な情報へとアクセスできる二次元コードを掲載する など
展示会のパネルを制作する際の注意点
展示会のパネルを制作する際は、設置場所を考慮したサイズにしたうえで、ブース全体の雰囲気に合ったデザインで制作することが重要です。
また、使用する画像・イラストの著作権についても確認が必要です。
①設置場所に合わせたサイズにする
展示会で設置するパネルは、展示会場の規模やブースの広さに合ったサイズにする必要があります。
設置場所の規模・広さに対して大きすぎるパネルは、来場者の動線を妨げることが懸念されます。一方で、小さすぎるパネルだと目立ちにくくなる可能性も考えられます。
パネルの制作を行う際は、事前に設置場所の広さを確認しておくことが有効です。
②ブース全体の雰囲気と合わせたデザインにする
パネルのデザインは、ブース全体の雰囲気に合わせることが重要です。これによって、自社や商材のブランドイメージとの一貫性を保ちやすくなります。
また、ブース全体の色合いに合わせたデザインにすることで、違和感なく視認してもらいやすくなります。
③使用する画像やイラストの著作権を確認する
パネルに画像やイラストを使用する際は、著作権について確認しておく必要があります。他社の著作物を無断で使用した場合、著作権の侵害となります。
▼著作権法第119条1号
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
引用元:e-Gov法令検索『著作権法』
また、Web上の素材サイトでダウンロードした素材の場合も、利用可能な範囲を指定しているケースがあります。利用規約は必ず確認しておくことが重要です。
出典:e-Gov法令検索『著作権法』
展示会におけるパネルの作成方法
展示会に設置するパネルの作成方法としては、自社で製作する方法と外部の事業者に依頼する方法の二つが挙げられます。
①自社で制作する
自社で制作する場合、オフライン・オンラインで作り方が異なります。
オフライン展示会の場合、デザインのみ自社で制作して、印刷物を事業者に依頼する方法があります。
Web上で実施するオンライン展示会では、展示会用のWebサイトを自社制作する、またはプラットフォームを利用する方法があります。
②外部の事業者に依頼する
デザインから制作までを一括して対応してくれる事業者に、パネルの制作を依頼することも可能です。
パネルの制作には、デザイン設計に関する知識・スキルが求められます。自社制作が難しい場合には、一括して代行してもらえる事業者に依頼するのがおすすめです。
また、展示会の開催にはパネル制作だけでなく、ブースのデザイン・設営やカタログ・販促物の準備、音響・映像対応など、さまざまな準備が必要です。準備から開催後の対応までトータルプロデュースしてもらえる事業者を選ぶのも一つの方法です。
まとめ
この記事では、展示会のパネルについて以下の内容を解説しました。
- 展示会に用いるパネルの種類
- 展示会のパネルを制作する際のコツ
- 展示会のパネルを制作する際の注意点
- 展示会パネルの作成方法
展示会のパネルは、来場者にとって分かりやすく、商材の魅力が伝わるキャッチコピー・画像・イラストを取り入れることが大切です。
また、レイアウトの4原則を守りつつ、余白をうまく取り入れる、商材のプロダクトカラー・ブランドイメージを表現する配色にするといったコツもあります。展示会の訴求力を高めるために、パネルのデザインにもこだわってみてはいかがでしょうか。
『ビークス』では、オフライン・オンラインの展示会、またはその両方を取り入れたハイブリッド展示会におけるパネル製作やブース設計、コンテンツ制作などの企画から運営までをトータルサポートしています。商材の魅力を引き出す装飾でブランディングの効果を後押しします。
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