【例文つき】展示会のアンケートを作成する方法と設問ポイント
展示会では、参加者の情報を収集して次のフォローアップにつなげるためにアンケートを実施します。成約の見込み度を見極めて効率的にフォローアップを行うには、アンケートを通して参加者の属性や自社の商材に対するニーズの有無、検討段階などを把握することが重要です。
しかし、参加者が回答に迷ってしまう設問や企業が知りたい情報が網羅されていない設問の場合、正確な回答を得られなくなりその後の分析精度にも影響が出てくる可能性があります。
これから展示会の出展を控えている企業担当者のなかには、「アンケートはどのように作成すればよいのか」「正確な回答を得るためにどのような設問を設計するとよいのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会のアンケートを作成する方法と設問のポイントについて解説します。
なお、オンライン展示会のアンケートについてはこちらの記事をご確認ください。
目次[非表示]
- 1.展示会におけるアンケートの収集方法
- 2.展示会のアンケートを作成する方法
- 2.1.①目的を明確にする
- 2.2.②アンケートの項目・設問を設計する
- 2.3.③見込み度を判定する基準を設定する
- 3.アンケートの設問を作成する際のポイント
- 3.1.①回答は選択方式にする
- 3.2.②シンプルで分かりやすい表現を用いる
- 3.3.③不足・重複がないように設問の回答を用意する
- 4.展示会のアンケートに活用できる例文
- 5.まとめ
展示会におけるアンケートの収集方法
展示会でより多くのアンケートを収集するには、参加者がスムーズに回答できる方法を検討する必要があります。一般的なアンケートの収集方法には、次の3つが挙げられます。
▼一般的なアンケートの収集方法
アンケートの種類 |
収集方法 |
用紙のアンケート |
紙媒体のアンケート用紙とペンを配布して、参加者に筆記してもらう方法 |
タブレットを用いたアンケート |
タブレットをブース内に設置または手渡しして、画面に沿って入力してもらう方法 |
二次元バーコードを用いたWebアンケート |
ブース内や出入り口などに二次元コードを記載したパネルを設置して、参加者自身のスマートフォンからアクセスして回答してもらう方法 |
展示会の規模や予想される集客数、当日配置するスタッフの人数などを踏まえて、アンケートの収集方法を選択することが重要です。
展示会のアンケートを作成する方法
展示会のアンケートを作成する際は、目的を明確にしたうえで、必要な情報を収集できる設問と見込み度の判定基準を設定します。
①目的を明確にする
アンケートを作成する際は、展示会に出展する目的を改めて確認します。
展示会に出展する目的を明確にすることで、アンケートでどのような情報を収集するとよいのか、具体的な設問内容を検討しやすくなります。
▼出展目的とアンケートで収集する情報の例
目的 |
情報 |
新規見込み顧客の獲得 |
|
商談の獲得 |
|
既存顧客との関係強化 |
|
②アンケートの項目・設問を設計する
展示会の目的を踏まえたうえで、参加者から取得したい情報を洗い出してアンケートの項目と設問を設計します。
アンケートの項目を設定する際は、“BANT”のフレームワークを活用することが有効です。BANTに沿ってアンケート項目を設計することで、参加者の見込み度を見極めるための設問を作成しやすくなります。
▼BANTに沿ったアンケート項目
BANTの項目 |
設問例 |
予算(Budget) |
「予算についてどの程度決まっていますか?」 |
決裁権(Authority) |
「あなたの職種や役職は何ですか?」 |
必要性(Needs) |
「貴社にとって、この商品・サービスがどのように役立つと考えられますか?」 |
導入時期(Timeframe) |
「導入時期について具体的なプランはありますか?」 |
③見込み度を判定する基準を設定する
アンケートの各項目に対して、どのような回答が得られたら見込み度が高いと判断するか基準を設定します。
その際は、見込み度を3つにセグメントして、アンケートの項目に応じて判定基準を明確に定義することがポイントです。
判定基準を明確に定義することで、統一した基準でアンケートの集計ができるようになり、見込み度の高い参加者へ優先的にフォローアップを行えます。
▼見込み度を判定する基準の設定例
見込み度 |
判定基準 |
【高】 |
|
【中】 |
|
【低】 |
|
アンケートの設問を作成する際のポイント
アンケートを通して、展示会の参加者から現状の課題・ニーズ、検討段階などを把握するには、直感的に回答できて見込み度を見極めやすい設問を作成することがポイントです。
①回答は選択方式にする
参加者が直感的に回答を判断できるように、自由記述ではなく選択方式の設問にすることがポイントです。
選択方式の設問にすることで、回答が抽象的になるのを防いでアンケートの結果を定量的に分析しやすくなります。
▼選択方式の回答例
選択方式の回答 |
|
例1 |
Q.導入時期は決まっていますか?
A.3ヶ月以内・1年以内・検討中・決まっていない
|
例2 |
Q.展示会に参加された目的は何ですか?
A.新しい商材の発掘・情報取集・自社のブースを見るため・他社のブースを見るため
|
②シンプルで分かりやすい表現を用いる
アンケートの設問には、シンプルで分かりやすい表現を用いる必要があります。
業界や職種の専門用語を多用したり、難しい言い回しをしたりすると、参加者が質問の意図を汲み取りにくくなり、正確な回答を得られなくなる可能性があります。
設問の一文は簡潔にまとめるとともに、誤解を生みにくい表現を用いることがポイントです。
▼シンプルな表現例
設問と回答の例 |
|
NG |
Q.現在、マーケティングにおいて貴社が抱えている課題はありますか?
A.コンバージョン・エンゲージメント・ブランディング
|
OK |
Q.現在貴社が抱えている課題はありますか?
A.売上やお問い合せ数・顧客満足度・ブランドの認知度
|
③不足・重複がないように設問の回答を用意する
設問に対する回答は、不足・重複がないように選択肢を設ける必要があります。
設問に対する回答に当てはまる選択肢がなかったり、ほかの回答と重複したりすると、参加者の回答にぶれが生じてしまい、正確な情報が得られなくなる可能性があります。参加者の視点に立ち、想定しうる回答の選択肢を不足・重複なく設けることがポイントです。
▼不足・重複のない回答例
設問と回答の例 |
|
NG |
Q.展示会に参加されたきっかけは何ですか?
A.Web広告・ホームページ・インターネット・招待状
※インターネットがWeb広告やホームページと重複しており、選択肢も少ない
|
OK |
Q.展示会に参加されたきっかけは何ですか?
A.Web広告・当社ホームページでの案内・招待状・メールマガジン・紹介
|
展示会のアンケートに活用できる例文
ここからは、展示会のアンケートに活用できる例文を紹介します。回答の選択肢・固有名詞については、自社の商材や業種などに応じて変更してください。
▼BANTに沿った展示会のアンケート例
Q1.今回参加されたきっかけは何ですか?【N=必要性】
①商品が気になっている ②紹介 ③メルマガや招待状 ④その他(自由回答)
Q2.貴社が抱えている課題はありますか?【N=必要性】
①売上 ②コスト削減 ③業務効率化 ④認知の向上 ⑤サービス品質 ⑥その他(自由回答)
Q3.どの商品に興味を持たれましたか?【B=予算】
①A製品 ②B製品 ③C製品 ④その他(自由回答)
Q4.今回興味を持った商品の導入を検討されていますか?【T=導入時期】
①導入したい ②導入は考えていない
Q5.Q4で①を回答した方のみお答えください。導入時期は決まっていますか?【T=導入時期】
①3ヶ月以内 ②1年以内 ③検討中
Q6.あなたの現在の職種として、もっとも近いものをお選びください。【A=決裁権】
①営業 ②開発 ③生産管理 ④品質管理 ⑤その他(自由回答)
Q7.商品のテスト導入を希望されますか。【N=必要性】
①はい ②いいえ ③検討したい
Q8.今回の展示会に関して、ご意見・ご感想がございましたらお聞かせください。(自由回答)
|
まとめ
この記事では、展示会のアンケートについて以下の内容を解説しました。
- アンケートの収集方法
- 展示会のアンケートを作成する方法
- アンケートの設問を作成する際のポイント
- 展示会のアンケートに活用できる例文
展示会でアンケートを収集することで、自社商材に対するニーズの有無や検討段階などを把握して、見込み度の高い参加者を見極めやすくなります。
アンケートを作成する際は、展示会の出展目的を明確にしたうえで、取得したい情報を基にアンケートの項目・設問を設計して、見込み度を判定する基準を設定する必要があります。
参加者から正確な情報を引き出すためには、選択方式の回答にして、シンプルで分かりやすい表現を用いること、不足・重複がないように設問の回答を用意することがポイントです。
『ビークス』では、展示会サポート歴20年のノウハウを基に、企画策定からブースのデザイン、運営までをトータルサポートしております。アンケートの作成をはじめ、参加者に配布する印刷物やノベルティなどの制作についてもフォローいたします。展示会の出展をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。