展示会のプレゼンで訴求力を高める! 資料作成のポイントと実施のコツ
※2024年9月18日更新
展示会は、自社の商品・サービスの宣伝や新たな販路の拡大などのビジネスチャンスが期待できるイベントです。
自社の商品・サービスを参加者にアピールしてより多くの人に興味関心を持ってもらうために、ブース内では多種多様なプレゼンテーション(以下、プレゼン)が行われています。
企業のマーケティング担当者においては、「展示会のプレゼン資料をどのように作成すればよいのか」「プレゼンで参加者への訴求力を高めるにはどうすればよいか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会のプレゼン資料を作成するポイントや実施のコツ、参加者の心をつかむ話し方について解説します。
目次[非表示]
- 1.展示会でプレゼンを行う目的とは
- 2.参加者の視線を惹きつけるプレゼン資料の作成ポイント
- 2.1.➀スライドだけでなく動画を活用する
- 2.2.②重要なワードにテロップを表示する
- 2.3.③ボリュームを多くしすぎない
- 2.4.④聞き手にとってキャッチーな情報を選ぶ
- 2.5.⑤プレゼン単体でストーリーを完結させない
- 3.商材の訴求力を高めるプレゼンのコツ
- 4.参加者の心をつかむには“話し方”を意識することも重要
- 4.1.聞き手の方向を見て話す
- 4.2.不要なつなぎ言葉をなくす
- 4.3.質問をして聞き手を巻き込む
- 4.4.専門用語を分かりやすく言い換える
- 4.5.立ち位置を変えてみる
- 5.まとめ
展示会でプレゼンを行う目的とは
展示会でプレゼンを行う目的には、主に以下が挙げられます。
▼プレゼンの目的
- 商材について理解を深めてもらう
- 参加者の興味関心を惹きつけて目標とする行動を促す
自社商材の特徴と魅力を分かりやすく説明することで、パンフレットや展示パネルだけでは伝わりにくい情報について理解を促進できます。
また、独自性のある強みや競合他社との差別化ポイントを訴求すると、参加者の興味関心が高まり、スムーズに目標とする行動へ誘導することが可能です。
名刺交換やセミナーへの参加、商談のアポイントメントの獲得などにつなげるには、展示ブースで行うプレゼンで注目を集めて、参加者に足を止めて見てもらうことが重要となります。
参加者の視線を惹きつけるプレゼン資料の作成ポイント
展示会のプレゼン資料では、参加者が見て直感的に理解しやすいコンテンツを作成する必要があります。参加者の視線を惹きつけるポイントは、次の5つです。
➀スライドだけでなく動画を活用する
展示会場内に多くのブースが並ぶなかで参加者の注目を集めるためには、音と映像を駆使した動画を活用することが有効です。
動画を活用することで、画像やテキストだけでは伝わりにくい情報を視覚的に短時間で伝えられるため、訴求力の向上が期待できます。動画で伝わりやすい情報には、以下が挙げられます。
▼動画で伝わりやすい情報例
- 商材の使用イメージ
- ブランドの世界観
- 製造工程の流れ など
なお、展示会の動画制作についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
②重要なワードにテロップを表示する
プレゼン資料には、テロップを表示することもポイントの一つです。
展示会では、周囲のブースでBGMの音や会話の声などが響いており、参加者が動画の音声を視聴しにくい可能性があります。
プレゼン資料として自社ブースで動画を流す際は、重要なワードに大きなテロップを表示することが重要です。テロップを表示することで、音声が聞こえにくい場合でも文字から情報をスムーズに理解できるようになります。
③ボリュームを多くしすぎない
プレゼン資料に記載する内容は、ボリュームを多くしすぎないようにすることがポイントです。具体的には、10分程度でプレゼンできるボリュームに収めることがおすすめです。
商材への興味が低い人でもすぐに理解できる程度の情報量に抑えることで、視聴した人の期待感や疑問が生まれやすくなります。その結果、「もっと詳しく知りたい」という気持ちが醸成されて商談へとつなげやすくなると考えられます。
なお、プレゼン資料は展示会の企画を踏まえて作成する必要があります。展示会の企画立案についてはこちらの記事をご確認ください。
④聞き手にとってキャッチーな情報を選ぶ
プレゼン資料で説明する情報は、聞き手にとって受け入れやすいキャッチーな情報を選ぶことがポイントです。
展示会で実施するプレゼンでは、特定の人ではなく不特定多数の参加者に向けて情報を伝えます。偏った話題や専門的な内容にすると、聞き手が「自社にとって関係がない」「伝えたい情報がよく分からない」と思ってしまい、離脱される可能性があります。
企業や商材について知らない参加者でも興味関心が湧くような情報に絞って訴求することが有効です。
▼聞き手にとってニーズがある情報例
- 商材の導入・購入によるメリット
- 競合他社の商材との比較点
- プランや導入までのフロー など
⑤プレゼン単体でストーリーを完結させない
参加者との名刺交換や商談につなげるには、プレゼンのみでストーリーを完結させないことも重要です。
プレゼンで詳細な内容をすべて解説すると、「知りたいことはすべて聞いた」と参加者が納得してしまい、ブースを離れやすくなります。
最後に疑問が残るような内容にすることで、参加者とのコミュニケーションが生まれるきっかけとなり、接点を創出できるようになります。
商材の訴求力を高めるプレゼンのコツ
展示会でプレゼンを行う際は、商材の魅力が伝わりやすく参加者の課題・ニーズに対応できる構成や手法を検討することが重要です。訴求力を高めるプレゼンのコツには、次の3つが挙げられます。
①ターゲットに合わせたストーリーを組み立てる
どのような参加者をターゲットとするかによって、興味関心を惹くプレゼンの内容は変わってきます。
展示会のプレゼンを行う際は、ターゲット層が持つ課題・ニーズを想定して、メリットが伝わるストーリーをつくることがコツです。
▼製造現場での不良検知システムを訴求するストーリーの例
構成 |
訴求する内容 |
1.課題 |
|
2.解決策 |
|
3.効果 |
|
参加者が持つ課題・ニーズを含めたストーリーを組み立てることで、共感が生まれて聞き手が「自分のこと」として捉えやすくなります。これにより、興味関心の喚起につながることが期待できます。
②商材の魅力が伝わりやすいプレゼン手法を選ぶ
商材に合わせて適切なプレゼンの手法を選ぶこともコツの一つです。
「有形・無形の商材か」「ブース内で体験をしてもらえるか」などを考慮して、参加者が具体的な商材の利用シーンをイメージできるようにする必要があります。
▼商材に合わせたプレゼンの手法
商材の種類 |
プレゼンの手法 |
無形のサービス |
特徴・機能をイラストや図表などでまとめた資料を見せながら、プレゼンターが解説をする |
利用シーンがイメージしづらい商品 |
スタッフ同士の掛け合いをベースに、実際に使われるシーンを再現する |
ブース内で実演できるが、操作に技術を必要とする商品 |
商品の利用方法をスタッフがその場で実演して見せる |
参加者が簡単に操作できる商品 |
商品をブースに展示して、参加者自身にその場で試してもらう時間を設ける |
③プレゼンの枠を大きく取り過ぎない
1回のプレゼンに割く時間が長すぎたり、プレゼンを行う頻度が多すぎたりしないようにする必要があります。
プレゼンの時間が長すぎると、途中で離脱する参加者が増えてそのあとの個別対応につなげることが難しくなる可能性があります。また、プレゼンの頻度が多すぎる場合は、個別対応に充てる時間を確保できなくなることもあります。
個別対応が十分にできないと、プレゼンによるリードの獲得や商談につなげることは難しくなります。用意できるスタッフの数や見込まれる参加者の数などに応じて、個別対応に支障が出ない範囲でプレゼンを行うことが重要です。
参加者の心をつかむには“話し方”を意識することも重要
展示会のプレゼンで参加者の心をつかむには、「もっと話を聞いてみたい」と思わせる話し方を意識することも重要といえます。話し手が取り入れたい手法には、以下が挙げられます。
聞き手の方向を見て話す
プレゼンを行う際は、聞き手の方向を見て話すようにします。手元の原稿やディスプレイを見て台本を読み上げるだけでは、参加者の注目を集めにくくなります。
参加者がいる方向を見渡すように話すことで、「自分に向けて話してくれている」と感じてもらいプレゼンの内容に耳を傾けてもらいやすくなります。
また、話し手への注目を集めるために、話す際に聞き手の目を見たり、ジェスチャーをしたりすることも効果的です。
不要なつなぎ言葉をなくす
展示会のプレゼンで話す際は、「えっと」「あの~」といった不要なつなぎ言葉を入れないように意識します。
話し手が無意識に発しやすい不要なつなぎ言葉は、聞き手が内容を理解しにくくなるほか、ストレスに感じてしまうことがあります。
文章の語尾を「です」「ます」で統一して、必要な内容のみを端的に話すようにすると、話し手の主張を明確に伝えられます。
質問をして聞き手を巻き込む
話し手が一方的に発言するのではなく、質問を交えて聞き手が参加できるようにすることも手法の一つです。
▼質問の例
- 「○○だと思われる方は、挙手をお願いします。」
- 「○○について課題を持つ方はいらっしゃいますか。」
- 「○○について気になる点はありますか。」 など
聞き手に質問を投げかけることで、プレゼンに意識が向きやすくなるほか、理解度や意見などを引き出せるようになります。
専門用語を分かりやすく言い換える
業界用語やビジネスシーンで用いられるカタカナ語などは、分かりやすい言葉に言い換えることが必要です。
専門用語が含まれていると、聞き手が内容をスムーズに理解できなかったり、途中でつまずいてしまったりする可能性があります。
商材やプレゼンの内容上、専門用語が避けられない場合には、併せて意味の解説を行うことが望まれます。
立ち位置を変えてみる
話の内容に合わせて立ち位置を変えてみることも一つの方法です。
基本的には、プレゼンを行うスペースに用意した壇上や、ディスプレイまたはスクリーンの横に立って話します。その際、同じ場所で口頭での説明を行うのではなく、立ち位置を変えることで聞き手の視線を集めやすくなります。
▼立ち位置の変え方
- 質問する際に聞き手の近くまで歩み寄り、アイコンタクトをとる
- ディスプレイを見て欲しいときに画面に近づいて手振りをする など
まとめ
この記事では、展示会でのプレゼンについて以下の内容を解説しました。
- 展示会でプレゼンを行う目的
- 参加者の視線を惹きつけるプレゼン資料の作成ポイント
- 商材の訴求力を高めるプレゼンのコツ
- 参加者の心をつかむ話し方
展示会で名刺交換やセミナーへの参加、商談へとつなげるには、自社商材の魅力を訴求して参加者の興味関心を惹くためのプレゼンが重要となります。
プレゼン資料を作成する際は、動画を活用しながら重要なワードにはテロップを表示することや、商材への興味が低い人でも理解しやすい情報量に抑えることがポイントです。
また、ターゲット層が持つ課題・ニーズを踏まえたストーリーづくりや、商材の魅力・利用シーンが伝わりやすいプレゼン手法を選ぶことがコツです。個別対応に十分な時間を充てるために、プレゼンの時間や頻度も考慮する必要があります。
プレゼンの際に話し方を意識すると、内容が伝わりやすくなったり、理解を促しやすくしたりする効果も期待できます。
『ビークス』では、展示会の企画・制作・運営までをトータルサポートしています。数多くの展示会をサポートしてきた実績やノウハウを基に、訴求力の高い展示会をプロデュースいたします。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。