展示会の企画立案が成功へのカギ! 効率的に進める6つのステップ
※2024年5月29日更新
展示会の出展には、事前の集客施策やブースの設計、当日使用する資料・コンテンツの制作などのさまざまな準備が必要です。
チームが協力して効率的に進めるには、企画を立案して展示会の全体像や必要な準備などを把握・共有しておくことが重要といえます。
展示会の企画を考案中の企業担当者さまのなかには、「どのような手順で企画を作成するのか」「押さえておくポイントはあるか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会における企画書の役割や企画立案の効率的な進め方、押さえておきたいポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.展示会の出展における企画書の役割
- 2.展示会における企画立案の進め方
- 2.1.ステップ1|出展目的・目標を設定する
- 2.2.ステップ2|ターゲットを設定する
- 2.3.ステップ3|出展方法・内容を決める
- 2.4.ステップ4|必要なタスクを洗い出す
- 2.5.ステップ5|予算を策定する
- 2.6.ステップ6|スケジュールを作成する
- 3.企画を立案する際に押さえておくポイント
- 3.1.➀自社の独自の魅力を生かした内容にする
- 3.2.②費用対効果を算出しておく
- 3.3.③リスクを想定して対応方法を決めておく
- 3.4.④必要な人員数を算出する
- 4.まとめ
展示会の出展における企画書の役割
展示会に出展する際に作成する企画書には、主に以下の役割があります。
▼展示会における企画書の役割
- 社内の合意を得る
- 展示会の関連業務を円滑に進める
- 訴求内容の方向性や表現を統一する など
展示会の出展には、プロジェクトを運営するスタッフや予算などのリソースが必要です。企画書を作成することで、「何のために出展するのか」「出展によってどのような効果が期待できるのか」を分かりやすく説明でき、社内の合意を得やすくなります。
また、展示会に出展する目的や全体のスケジュール、ターゲット層などを社内で共有できるようになり、担当者間で認識を共有することが可能です。これにより、具体的な業務内容や各担当者の役割なども決定しやすくなります。
さらに、展示会で「誰にどのようなアプローチを行うか」といったコンセプトを企画段階で定めておくと、訴求の方向性が明確になります。ブースの設計や販促物の制作について意見・アイデアがまとまりやすくなるほか、統一した世界観を表現することが可能です。
なお、展示会のコンセプトについてはこちらの記事で解説しています。
展示会における企画立案の進め方
展示会の企画を立案する際は、手順に沿って進めるとスムーズになります。一般的な進め方について6つのステップで解説します。
ステップ1|出展目的・目標を設定する
ステップ1では、何のために展示会に出展するのかを考えて目的を明確にします。
目的を明確にすることで、出展する展示会のテーマやターゲット層、展示する商品などの大まかな方向性を定められます。
また、目的を定めたあとは「最終的にどれくらいの成果を得られるか」といった具体的な数値目標を設定することも重要です。
▼展示会における目的・目標設定の例
内容 |
具体例 |
目的 |
|
目標設定 |
|
ステップ2|ターゲットを設定する
ステップ2では、ステップ1で定めた展示会の出展目的を考慮したうえで、参加してもらいたいターゲット層を設定します。
▼目的別のターゲット設定例
目的 |
ターゲット |
認知度向上 |
自社を知らない潜在層 |
商談の獲得 |
商品・サービスを比較検討している顕在層 |
企業側の主観でターゲットを決めるのではなく、展示会のテーマや自社商品の特徴を踏まえて、どのような人にニーズがあるのかを考えることが重要です。
ターゲットの人物像を詳細に定義したペルソナを作成することで、課題・ニーズを想定しやすくなり、展示会の具体的な施策を検討できます。
▼ペルソナの設定項目
- 属性(年齢・性別・住所)
- 企業の規模
- 業種・職種
- 所属部署・役職・経歴
- 決裁権の有無
- 業務上の課題・要望・目標
ステップ3|出展方法・内容を決める
ステップ3では、展示会の出展方法や出展する内容を決めていきます。
展示会には、単独開催・合同開催での出展方法があるほか、オフライン・オンライン・ハイブリッドなどの開催形式にも種類があります。
出展方法・開催形式によって必要な準備や当日の運営体制が変わるため、企画段階で決定しておくことが重要です。また、出展内容については展示会の出展目的やターゲットを基に決めることがポイントです。
▼出展内容について決める項目
- 出展テーマとコンセプト
- 展示する商品・サービスの内容と展示数
- 実施するイベント(セミナー、デモンストレーション など)
なお、出展テーマの決め方やハイブリッド展示会、オンライン展示会については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
ステップ4|必要なタスクを洗い出す
ステップ4では、展示会の出展準備をスムーズに進めるために、必要なタスクを洗い出して整理します。
出展に必要なタスクを整理しておくことで、「どの準備をいつまでに着手するか」「誰がどのタスクを担当するか」などを決めやすくなり、対応漏れを防げるようになります。
▼展示会の出展に伴うタスク例
- 出展する展示会の決定・申し込み
- 会場の手配(自社開催の場合)
- 事前の集客施策(DM、メール、SNS など)
- ブース・装飾アイテムの制作
- コンテンツの制作(商品紹介動画やアニメーション など)
- 販促物の制作(パンフレット、ノベルティ など)
- 当日運営のスタッフ確保(交通手段の決定、宿泊場所の手配 など)
制作会社によるサポートを受ける場合には、依頼する業務の範囲や、やり取りをする担当者を決めておくことも必要です。
なお、展示会の集客に活用できるDM(ダイレクトメール)については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
ステップ5|予算を策定する
ステップ5では、展示会の出展や制作物の準備などにかかる費用をすべて洗い出して、予算を策定します。
展示会の出展方法や開催形式、制作物などによって費用は変動するため注意が必要です。必ず費用が発生する項目と、可能であれば追加したい項目を分けておくと、優先度に応じて予算の配分がしやすくなります。
▼展示会の出展にかかる費用の項目
- 出展料
- ブースの施工費
- ブース装飾の制作・レンタル費
- コンテンツ制作・印刷費用
- そのほかの費用(機材の搬入費、宣伝費、スタッフの交通費) など
なお、出展費用の詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
ステップ6|スケジュールを作成する
ステップ6では、展示会の開催日から逆算して、出展までに必要なタスクと進行フローをまとめたスケジュールを作成します。展示会の企画は半年〜1年前までに作成しておくと、余裕を持って準備を進めやすくなります。
▼スケジュールの作成例
スケジュール |
タスク |
出展の1年~3ヶ月前 |
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出展の1ヶ月前 |
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出展の1週間前 |
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展示会当日〜1週間後 |
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企画を立案する際に押さえておくポイント
展示会に出展して成果につなげるには、企画を立案する段階で自社がアプローチしたいポイントや想定される費用対効果、トラブルのリスクなどを考慮しておくことが重要です。
➀自社の独自の魅力を生かした内容にする
企画を立案する際は、自社商材独自の魅力を生かした内容にする必要があります。
展示会の企画は、ブースのデザインや装飾、コンテンツの制作などを行う際の基礎となるため、独自性に欠けた内容になると商材の魅力がうまく伝わらない結果となる可能性があります。
自社商材ならではの魅力を伝えるアピールポイントを明確にすることで、競合他社との差別化を図り、参加者の印象に残りやすくなります。
▼独自性のある企画を立案するコツ
- 競合他社の商材と強み・弱みを比較して訴求する要素を絞る
- ほかの業界や分野での出展事例を参考に斬新なアイデアを取り入れる
- 企業・ブランドの世界観を伝える言葉やストーリーを盛り込む など
新たな企画のアイデアを得るために、自社とは異なる業界・業種や商材の展示会に参加してみることも一つの方法です。
②費用対効果を算出しておく
展示会の出展によって想定される費用対効果をあらかじめ算出しておくこともポイントの一つです。期待できるリード数・受注数・商談数などの指標(KPI)を設定したうえで、出展に必要な予算の調整を行います。
▼展示会の費用対効果を算出する際の主な指標
指標 |
内容 |
獲得リード数 |
事前の申込数、名刺の交換数、アンケートの回答数 |
受注数 |
展示会を通して受注に至った案件数 |
商談数 |
展示会で商談に至った件数 |
展示会の出展後にも同様の指標を用いて実際の費用対効果を算出すると、目標の達成度を数値化して把握でき、今後の改善策を検討することが可能です。また、実際の費用対効果をどのように測定するか、具体的な方法についても定めておく必要があります。
なお、展示会の費用対効果を測定する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
③リスクを想定して対応方法を決めておく
展示会の出展に伴ってどのようなリスクが発生するかを想定して、対応方法を決めておくことも重要です。
展示会に出展する際には多岐にわたる業務が発生するため、各フローにおいて何らかのトラブルが発生する可能性があります。
▼対応方法を決めておきたいトラブルの例
- 販促物の制作が展示会の開催日までに間に合わない
- ブースの設営に使用する機材の調達・レンタルが一部漏れていた
- スタッフの体調不良により人手不足が発生した など
起こり得るトラブルを想定して、スケジュール調整の方法や関係者への連絡対応などをどのように行うのかを定めておくと、万が一の際に生じた影響を最小限に抑えられます。
④必要な人員数を算出する
企画を立案する際には、展示会の出展準備や当日の運営に必要な人員数について考慮しておくことが欠かせません。
準備に着手するタイミングで、タスクを割り当てる人員が不足していたり、当日の通常業務が重なっており人員確保ができなかったりする可能性も考えられます。
企画立案の時点で出展に必要なリソースを洗い出すことで、人手不足のリスクを防止できます。社内でリソースを確保するのが難しい場合には、企画や出展準備、運営などをトータルサポートしてくれる専門会社に依頼することも一つの方法です。
なお、展示会の出展業務を依頼できる事業者の種類や選定のポイントについては、こちらの記事で解説しています。
まとめ
この記事では、展示会の企画立案について以下の内容を解説しました。
- 展示会の出展における企画書の役割
- 企画立案の進め方
- 企画を立案する際に押さえておくポイント
展示会で作成する企画書には、展示会の全体像を共有して社内の合意を得るとともに、関連業務を円滑に進行したり、イメージを共有して訴求内容の方向性・表現を統一したりする役割があります。
企画を立案する際は、自社の強みを発揮できる内容を検討するほか、費用対効果やトラブルへの対応方法、必要な人員数を考慮することがポイントです。
また、円滑に準備や当日の運営を進めるには、外部の専門会社にサポートを依頼することも一つの方法といえます。
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