展示会のコンセプトとは。表現方法の違いと策定時のポイント
展示会において参加者の興味関心を惹きつけるには、自社の商材が持つ魅力を統一した世界観で表現する必要があります。
そこで重要となるのが“コンセプトの設定”です。「誰に、どのようなアプローチを行うのか」といった表現の軸を定めることで、魅力的なブースづくりができるようになり、参加者への訴求力を高められます。
この記事では、展示会で設定するコンセプトの意味や表現方法の違いをビークスが手がけた展示会の事例とともに紹介します。
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展示会のコンセプトとは
展示会のコンセプトとは、展示会の方向性を示す指針となる観点や考え方を指します。展示会に出展する際は、コンセプトを定めたうえで、そのイメージを具体的に表現するための手段として企画の立案を行います。
▼展示会のコンセプトを定める目的
- 出展に関わるチームや担当者間で共通の認識を持つ
- ターゲット層に響くアプローチ方法を見極める
- ブースのデザインや販促物などについて表現の世界観を統一する など
展示会に出展する際には、ブースのデザイン設計や販促物の制作、商材を訴求するコンテンツの制作などさまざまな内容を検討する必要があります。コンセプトが明確でない場合には、訴求する内容や表現方法にばらつきが生まれてしまい、ターゲット層に魅力がうまく伝わらなくなります。
コンセプトを設定して「誰に向けてどのようなアプローチを行うか」といった指針を明らかにすることで、展示会の企画からブースの制作、当日の接客に至るまで一貫した考えに基づいて戦略を検討できます。
その結果、参加者に商材の魅力と世界観が伝わりやすくなり、自社の印象アップや興味関心の喚起につながることが期待できます。
なお、展示会の企画立案についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【事例】コンセプトに基づいた展示ブースの表現方法
展示ブースで商材の魅力を表現する際には、どのようなコンセプトを設定するかによって多種多様なアイデアがあります。ここからは、ビークスがサポートした企業さまの事例を基に、コンセプトに沿った商材の表現方法を紹介します。
事例1|2つのコンセプトを表現する
ドライブレコーダーの開発を手がける企業では、ブースの表と裏で異なるコンセプトを定めてブースの制作を行いました。
▼表のブース
表のブースでは、“カーライフを豊かにする”“楽しさ”といったコンセプトを定めて、車両の周囲360°を撮影できる次世代のドライブレコーダーを紹介しています。
YouTuberとのコラボレーションによって楽しみ方を伝える動画配信をしたり、ディスプレイをタッチして360°の映像を体験できるコーナーを設けたりして、参加者の好奇心を刺激しています。
▼裏のブース
裏のブースでは、“安心安全を提供する”というコンセプトに基づいて技術的な情報提供や衝突試験のVR体験などのコンテンツを提供しています。
楽しい雰囲気を訴求した表のブースとは異なり、ドライブ時の安全性を軸に訴求を行い、製品の機能や信頼性をアピールしていることが特徴です。
事例2|世界観とスケールを表現する
プラントの構築や輸送機器の開発などを手がける企業では、AI技術を取り入れた新たなネットワークシステムを紹介する展示会を開催しました。
▼展示ブース
発電プラント・社会インフラ・航空機・ロケットなど、産業活動の基盤となる製品において、サプライチェーン全体の電力最適化を目指すために、“ENERGY CLOUD WORLD(エネルギークラウドワールド)”というコンセプトを掲げています。
展示ブース内では、データ分析を可視化するモニターの設置や専門家によるセミナーの実施により、先進技術の世界観と未来への展望を伝える広いスケールを表現しています。
事例3|コンセプトをブースのモチーフで表現する
海外で使用する持ち運び型のWi-Fiを提供する企業では、“世界中どこでも、安心安全、大容量を気軽に手軽に”というコンセプトに基づいて訴求を行いました。
▼展示ブース
海外へ気軽に持ち歩きできるWi-Fiの特性をモチーフにして、世界中を渡って輸送する本物のコンテナを展示ブースに設置しています。存在感のある異素材のコンテナは、参加者からの注目を浴びました。
ビークスにおけるブースデザインのサービスについては、こちらをご確認ください。
展示会のコンセプトを設定する際のポイント
展示会のコンセプトを設定する際は、商材の特性や魅力を深掘りして、どのようなイメージを与えたいかを具体化することが重要です。押さえておくポイントには、以下の2つが挙げられます。
➀自社が提供できる価値を明らかにする
展示会のコンセプトを設定する際は、自社がターゲットに対して提供できる価値を明らかにしておく必要があります。
▼提供価値を明らかにするポイント
- 商材の特徴や強みを洗い出す
- ターゲット層が持つ課題を想定する
- 自社商材で課題を解決する方法や役立つ要素を検討する
自社商材でターゲットが抱える課題をどのように解決できるかを考えることで、自社が提供できる価値が明確になり、コンセプトに落とし込みやすくなります。
また、提供できる価値を明らかにしたあとは、言葉の表現や視覚的な要素を用いて“どのように伝えるか”を検討します。
②競合他社と差別化できる要素を考える
展示会のコンセプトを定める際は、競合他社との差別化を図れる要素を考えることもポイントの一つです。
競合他社と類似したコンセプトを設定すると、参加者が違いをよく理解できず、自社商材の印象が薄れてしまう可能性があります。
ターゲット層に響く自社独自のコンセプトを設定するには、自社と競合他社との強み・弱みを比較したり、客観的な意見を参考にしたりして訴求したい要素を絞ることが重要です。
▼競合他社の分析や客観的な意見を収集する方法
- 3C分析やSWOT分析のフレームワークを活用する
- 展示会担当以外の従業員や過去の参加者へアンケート調査を行う など
なお、自社や競合他社の分析に役立つフレームワークについては、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、展示会のコンセプトについて以下の内容を解説しました。
- 展示会におけるコンセプトの意味
- コンセプトに基づいた表現方法の事例
- 展示会のコンセプトを策定する際のポイント
展示会において「誰にどのようなアプローチを行うのか」といった方向性を定めるには、コンセプトの設定が必要です。コンセプトに基づいた企画を策定することで、訴求の内容や表現方法を統一できるようになり、訴求力を高められます。
コンセプトを設定する際は、自社商材を通してターゲット層に提供できる価値を明らかにするとともに、競合他社や客観的な印象について分析を行い、独自性のある強みをアピールすることがポイントです。
また、展示会の企画立案やブースづくりなどにお悩みの方は、専門の事業者にサポートを依頼することも一つの方法です。
『ビークス』では、展示会の企画・制作・運営までをトータルサポートしています。多種多様なテーマで展示会をサポートしてきた実績とノウハウを生かして、貴社商材の魅力を最大限に引き出す展示会を実現します。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。