展示会のシステムブースとは。自社に合った展示会ブースの施工方法を選ぶには
展示会のブースは、参加者の目を惹きつけて集客を促すための重要な要素の一つです。なかでもブースの施工方法によって、表現できるデザインや雰囲気などが左右されます。
展示会で取り入れられている代表的な施工方法に“システムブース”があります。木工ブースとは異なる特徴があるため、目的や予算に合わせて選ぶことが重要です。
これから展示会の出展準備を始める企業担当者のなかには「システムブースでどのような施工ができるのか」「木工ブースとどちらを選択するとよいか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会で用いられるシステムブースの概要や木工ブースと比較したメリット・デメリットについて解説します。
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展示会のシステムブースとは
システムブースとは、規定の形状・サイズがあるシステム部材を組み合わせて設営するブースです。どのようなシステム部材を使用するかによって実現できるブースの形状やデザインの表現などが変わります。
▼展示会のブース設営に用いられる主なシステム部材
システム部材 |
概要 |
オクタノルム |
梁(ビーム)と柱(ポール)を接続した対角線の構造によって立体的な3次元空間を造れる |
マキシマライト |
システムパネルのサイズに応じて、多様な形状の梁・柱を組み合わせて空間を造れる |
オメガトラス |
アルミの部材を三角形につなぎ合わせたトラス構造によって直線型やR型(アーチ状)の表現ができる |
シーマオービット |
梁(ビーム)とグローブを接続した対角線の構造によって立体的な3次元空間を造れる |
イソゴン |
垂直2方向・水平4方向に組み合わせた構造によって多様なパネル装飾を行える |
ストラクチャー |
直線と斜線を組み合わせた構造をオクタノルムで造った空間に組み込んでアーチやタワーを表現できる |
メロードーム |
三角形の部材をつなぎ合わせてドーム状の空間を造れる |
システムブースでは、上記のシステム部材を組み合わせて造った骨組みをベースにパネルやファブリック、照明器具などを組み込んでデザインを表現します。
システムブースのメリット
システムブースには、木工ブースと比較して設営にかかる時間やコストを削減しやすいメリットがあります。
▼メリット
- コストを抑えやすい
- 設営・解体がしやすい
- 廃材が少ない など
システムブースでは、既存のシステム部材をレンタルまたは再利用してデザイン・設営を行うため、一から木材を加工して造作する木工ブースと比較してコストを抑えやすくなります。
また、木工ブースの場合には、事前に木材の調達と加工を行ったあとに会場で施工する必要があり、準備に時間を要しやすくなります。これに対してシステムブースは、形状とサイズが決まったシステム部材を組み合わせて造ることから、運搬・設営・解体がしやすくなり、準備期間を短縮できます。
さらに、木工ブースでは解体の際に廃材が発生しますが、システム部材は再利用することが可能です。展示会後の撤去にかかる時間を短縮できるほか、環境にもやさしいといえます。
システムブースのデメリット
木工ブースと比べて設営の時間やコストを抑えやすいシステムブースですが、実現できるデザインには一定の制限が生じます。
▼デメリット
- 独自性のある形状でのブースづくりが難しい
- 装飾の範囲が限られる
- 無機質な印象になる可能性がある など
システムブースでは、使用するシステム部材の形状・サイズを選んでブースを組み立てます。そのため、一から木材を加工して造作する木工ブースと比べて、デザインの自由度は低くなりやすいといえます。
また、システム部材には自由にビス・釘を打てないことから、木材で造作した壁面に看板や装飾品を取り付けたり、ブースのデザインに合わせて床材を貼ったりして装飾を行える範囲も限られます。
さらに、木工ブースの場合は木材ならではの柔らかく温かみのある雰囲気を演出できますが、システムブースは梁と柱で構成されているため、無機質な印象になることがあります。企業や商材のイメージによっては、システムブースで表現できるデザインが合わない可能性も考えられます。
自社に合った展示会ブースの施工方法を選ぶには
システムブースは、木工ブースと比べて設営にかかるコストや準備の面でメリットがあります。実現したいブースのイメージや確保できる準備期間、予算などを踏まえて自社に合った施工方法を選ぶことがポイントです。
▼システムブースと木工ブースの比較
比較項目 |
システムブース |
木工ブース |
コスト |
低くなりやすい |
高くなりやすい |
準備期間 |
短い |
長くなりやすい |
デザインの自由度 |
システム部材の種類によって一定の制限がある |
自由な造作ができる |
再利用性 |
再利用できる |
廃材が発生しやすい |
展示会の準備期間が短い場合やできるだけコストを抑えたい場合には、システムブースを採用することが可能です。
既存のシステム部材では表現が難しい独自性のあるブースを制作したい場合や、木材ならではの風合いを生かしたデザインを取り入れたい場合などは、木工ブースが適していると考えられます。
「予算を調整しながら自社のこだわりを反映したい」といった場合には、システムブースと木工ブースを組み合わせて施工するケースもあります。
まとめ
この記事では、展示会のシステムブースについて以下の内容を解説しました。
- システムブースの概要とシステム部材の種類
- 木工ブースと比較したシステムブースのメリット・デメリット
- 自社に合った施工方法を選ぶポイント
既存のシステム部材を組み合わせて造るシステムブースは、施工にかかるコストや設営の準備期間を抑えやすいメリットがあります。ただし、一から木材を加工・造作する木工ブースと比較して、表現できるデザインには一定の制限が生じます。
「展示会のブースでどのような印象を持ってもらいたいか」「準備期間や予算はどれくらい確保できるか」などを踏まえて、自社に合った施工方法を選ぶことが重要です。
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