【オンライン展示会の補助金】開催に活用できる3つの制度
オンライン展示会を自社で開催する場合、コンセプトやコンテンツの種類などを自由に設定できるメリットがあります。しかし、サイトの構築やツールの導入費などの費用が発生します。
オンライン展示会を検討しているものの、「費用面の懸念があり、開催に踏み切れない」というマーケティング担当者の方もいるのではないでしょうか。
このような場合、国・地方自治体が実施している補助金制度をうまく活用することで、オンライン展示会の開催にかかる費用負担を抑えることが可能です。
この記事では、オンライン展示会に活用できる補助金制度を3つ紹介します。受給には一定の要件があるため、自社に活用できるものがないか一度ご確認ください。
目次[非表示]
- 1.①IT導入補助金
- 2.②小規模事業者持続化補助金
- 3.③中小企業展示会等出展支援補助金
- 4.まとめ
①IT導入補助金
オンライン展示会の開催に伴い、ITツールを導入する場合、IT導入補助金を活用できるケースがあります。
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の経費の一部を補助する制度です。企業の課題・ニーズに合ったITツールを導入して、業務の効率化や売り上げアップを図ることが目的です。
受給するには、対象要件を満たすとともに、IT導入支援事業者として登録している企業のITツールを選定する必要があります。
▼IT導入補助金の概要
IT導入補助金は、資本金・従業員数を満たす中小企業・小規模事業者が対象となります。
【対象事業者】
資本金・従業員数 |
業種分類 |
|
中小企業 |
どちらか一方を満たす場合
※業種によって従業員数の定義は異なる
|
飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育など |
小規模事業者 |
従業員数:5~20人以下 |
飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育など |
中小企業庁「ミラサポplus」『IT導入補助金』/中小企業庁『中小企業・小規模企業者の定義』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
【補助対象経費】
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料
- ハードウェア購入費(デジタル化基盤導入類型の場合)
- 導入関連費
【補助額・補助率】
A類型 |
B類型 |
デジタル化基盤導入類型 |
||
補助率 |
1/2以内 |
3/4以内 |
2/3以内 |
|
補助対象 |
ソフトウェア費、クラウド利用費、導入関連費 |
ソフトウェア費、クラウド利用費、導入関連費 |
||
補助金申請額 |
30万~150万円未満 |
150万~450万円以下 |
5~50万円以下 |
50万円超~ 350万円 |
経済産業省 中小企業庁『サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)令和3年度補正予算の概要』/国土交通省『IT導入・DXを検討中の皆様へ』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
なお、ITツールの導入にあたって外部の専門企業を活用する場合は、その報酬額についても補助対象となります。
詳しくは、こちらをご確認ください。
IT導入補助金2022
出典:経済産業省 中小企業庁『サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)令和3年度補正予算の概要』/中小企業庁「ミラサポplus」『IT導入補助金』/中小企業庁『中小企業・小規模企業者の定義』/国土交通省『IT導入・DXを検討中の皆様へ』
②小規模事業者持続化補助金
販路拡大や生産性向上に向けてオンライン展示会を開催する場合は、小規模事業者持続化補助金を活用できることがあります。
小規模事業者持続化補助金とは、販路拡大等の取組みにかかる経費の一部を補助する制度です。地域の雇用や産業を支える小規模事業者の、生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。
受給には、持続的な経営に向けた計画を作成したうえで、その計画に沿って販路拡大や業務効率化のための取組みを行う必要があります。
▼小規模事業者持続化補助金の概要
業種と従業員数については、法人・個人事業・特定非営利活動法人によって要件が異なります。さらに、年間の課税所得の金額や、法人の場合は資本金、株式保有の割合についても条件があります。
【対象者】
業種 |
常時使用する従業員数 |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)の法人・個人事業主 |
5人以下 |
宿泊業・娯楽業の法人・個人事業主 |
20人以下 |
中小企業庁「ミラサポplus」『小規模事業者持続化補助金(一般型)』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
【補助対象経費】
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
上記のうち、2.広報費・3.ウェブサイト関連費・4.展示会等出展費・11.委託・外注費については、オンライン展示会と関連性のある項目です。対象経費にあたるかどうかは、公募要領または問合せなどでご確認ください。
【補助率・補助上限額】
通常枠 |
特別枠 |
|||||
賃金
引上げ枠
|
卒業枠 |
後継者
支援枠
|
創業
支援枠
|
インボイス枠 |
||
補助率 |
2/3 |
2/3(赤字事業者に ついては3/4) |
2/3 |
|||
補助 上限額 |
50万円 |
200万円 |
100万円 |
中小企業庁「ミラサポplus」『小規模事業者持続化補助金(一般型)』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
基本的には、通常枠・特別枠のいずれか1枠のみの申請となりますが、一定の要件を満たすことで、追加申請できるケースもあります。
詳しくは、こちらをご確認ください。
小規模事業者持続化補助金
出典:中小企業庁「ミラサポplus」『小規模事業者持続化補助金(一般型)』
③中小企業展示会等出展支援補助金
各自治体ごとに、独自の補助金制度が設けられている場合もあります。ここでは、東京都新宿区の『令和4年度 中小企業展示会等出展支援補助金』について解説します。
中小企業展示会等出展支援補助金とは、販路拡大を目的とした展示会・オンライン展示会などに出展する際にかかる経費の一部を補助する制度です。
2022年度の補助金制度の内容は、以下のとおりです。
▼中小企業展示会等出展支援補助金の概要
東京都新宿区に本店または本拠地がある事業者が対象となっており、業種ごとに資金と従業員数の要件が設けられています。いずれにおいても、法人税や住民税などを滞納していないことが前提です。
【対象者】
法人 |
区内に本店登記があり、本店を区内に有していること |
個人 |
事業所の本拠地を区内に有していること |
新宿区『中小企業展示会等出展支援補助金』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
【資金・従業員要件】
業種 |
資金・従業員数 |
製造業・建設業・運輸業・その他業種(ソフトウェア業等) |
3億円以下または300人以下 |
卸売業 |
1億円以下または100人以下 |
サービス業 |
5,000万円以下または100人以下 |
小売業 |
5,000万円以下または50人以下 |
新宿区『令和4年度 中小企業展示会等出展支援補助金』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
【補助対象経費】
販路拡大を目的とした展示会(オンライン含む)の出展費用が対象
- 出展小間料
- 小間装飾費
- オンライン展示会等で使用するコンテンツ作成費
補助対象経費には、展示会の終了後も利用できる備品、運搬に係る経費、パンフレットやチラシなどの印刷物にかかった費用は含まれません。
【補助額・補助率】
開催場所 |
補助額 |
補助率 |
国内の展示会(オンライン含む) |
1件30万円 |
補助対象経費の2/3以内 |
海外の展示会 |
1件40万円 |
新宿区『中小企業展示会等出展支援補助金』を基に作成
※2022年7月20日時点の情報
各自治体によって補助金制度の内容は異なります。本社の所在地の地方自治体にご確認いただいて、オンライン展示会の開催にご活用ください。
出典:新宿区『中小企業展示会等出展支援補助金』『令和4年度 中小企業展示会等出展支援補助金』
まとめ
この記事では、オンライン展示会の開催に活用できる補助金について、以下の内容を解説しました。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 中小企業展示会等出展支援補助金
国・地方自治体が実施している補助金制度には、オンライン展示会に必要なITツールや出展料、コンテンツ制作費などを補助対象とした制度があります。
ただし、補助金制度によって対象となる事業や経費、取組みなどが異なるため、事前に細かく確認しておくことが重要です。詳しい募集要項や申請期間などは、各制度のホームページをご確認ください。
また、オンライン展示会の開催には、スケジュールの設定や集客のための取組みを行うことも欠かせません。
『ビークス』では、オンライン展示会で効率よく集客するための企画から運営までをトータルサポートいたします。
開催までの流れについては、こちらで詳しく解説しています。
オンライン展示会への集客については、こちらの記事をご確認ください。