
展示会報告書はどう書けばいい? 書き方と作成する際の注意点
※2026年6月17日更新
展示会への出展は、多くの見込み顧客を獲得し、自社の認知度を向上させる施策です。展示会の価値は、会期終了後の振り返りと、そこで得られたデータの活用にあります。出展に投資した費用やリソースがどれだけの成果を生み出したのか、次回に向けてどのような改善を行うのかを社内に共有するために欠かせないのが「展示会報告書」です。
この記事では、展示会報告書を作成する目的や分かりやすい書き方、作成時のポイント、定量的に成果を評価するKPIの記載方法、実務ですぐに使えるテンプレートの構成例について解説します。
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展示会の報告書とは
展示会の報告書は、出展企業が当日の様子をまとめたレポートを指します。単に出展後の事務手続きとして提出するものではなく、成果や課題、改善点を明文化し、次回の出展を成功へ導くためのマーケティング資産になります。
来場者側が社内への情報共有を行うために作成する報告書とは異なり、主に2つの目的で作成します。
▼出展企業が報告書を作成する目的
- 当日の状況やトラブルなどを記録して今後の参考資料にする
- 展示会の様子を外部に発信して宣伝を行う
来場者の反響が大きかったイベントや運営のオペレーションに関するトラブルなどを報告書に記録しておくと、次回の出展に生かすことが可能です。報告書の内容を踏まえて企画やブースのデザイン、販促物などを見直すことで、より魅力的な展示会へとブラッシュアップを図れます。
また、報告書の内容を分かりやすくまとめたコンテンツを自社のWebサイトやSNSで配信すると、展示会に参加できなかった人にも興味を持ってもらうことが可能です。これにより、次回の展示会に訪れてもらえる可能性が期待できます。
展示会の出展後に送付するお礼メールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
5W1Hを用いた展示会報告書の書き方
展示会報告書を作成する際に避けたいのは、時系列に沿って出来事を書き連ねただけの日記のような文章です。社内の誰もがひと目で内容を理解できるように、ビジネスコミュニケーションの基本である「5W1H」を意識して情報をまとめることが重要です。
「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」という要素を記述することで、展示会に直接参加していない経営層や他部署のメンバーでも、ブースの状況や出展の全体像を把握しやすくなります。また、名刺獲得数や商談数などの成果指標(KPI)を客観的に記録することで、経営層への費用対効果の証明や、次回の予算獲得にもつながります。
まずは、以下の5W1Hのフレームワークに沿って、イベントの基本情報を整理します。
▼展示会報告書における5W1Hの項目表
要素 | 報告書に記載する内容 | 具体的な記載例 |
When(いつ) | 開催日・会期・自社スタッフの稼働期間 | 2026年7月14日(火)〜16日(木) 10:00〜17:00 |
Where(どこで) | 会場名、ホールの番号、自社ブースの小間位置 | 東京ビッグサイト 東展示棟 ホール3(小間番号:東3-12) |
Who(誰が) | 自社の出展部門、アテンドしたメンバーの構成 | 営業部3名、マーケティング部2名(計5名、シフト制で稼働) |
What(何を) | 展示した主力商材、発表した新サービスの内容 | クラウド型業務効率化システム「〇〇」のデモンストレーション展示 |
Why(なぜ) | 出展を決めた背景、具体的な出展目的 | 新規リード(名刺)の獲得、および既存顧客への新機能訴求 |
How(どのように) | 運営の方法、集客のために実施した現場の施策 | ブース内ミニセミナーの定期開催、個別商談スペース(2席)の設置 |
上記の5W1Hに加えて、ビジネスの報告書として説得力を持たせるためには、「How much(いくら)」の要素を盛り込んだ「5W2H」でまとめることが効果的です。
展示会にかかった総出展費用や、獲得したリード1件当たりに費やしたコスト(CPL:コスト・パー・リード)などの金額情報を明確に組み込むことで、投資に対する費用対効果(ROI)を客観的に評価しやすくなります。
5W2Hで過不足なくまとめられた報告書は、次回の出展に向けた予算申請や社内の意思決定をスムーズに進めるための参考資料になります。
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展示会の報告書を作成する際のポイント
展示会の報告書を作成する際は、読み手が当日の様子をイメージできるように文章の書き方や情報を見やすく調整する必要があります。
➀現場の写真を載せる
報告書を作成する際は、内容に合わせて現場の写真を載せることがポイントです。
写真とともに文章で展示内容や来場者の反応を説明することにより、当日の運営に携わっていなかった従業員が現場の状況を理解しやすくなります。
また、メディアで報告書の内容を発信する際にも、当日の臨場感や雰囲気が読み手に伝わりやすくなり、興味関心の喚起につながると期待できます。
▼報告書に載せる写真の例
- 自社ブースの様子が分かる全体写真
- 展示内容を撮影したブースの写真
- セミナー・イベントの様子を撮影した写真 など
②事実・所感・意見を整理する
社内向けに作成する報告書については、事実・所感・意見を整理してまとめることもポイントの一つです。
運営担当者の所感・意見といった主観的な情報が明確に区別されていない場合には、「何が事実なのか」を客観的に理解しにくくなります。事実・所感・意見を整理することで、状況を正確に報告することが可能です。
▼情報を整理する区分
区分 | 具体例 |
事実 |
|
所感 |
|
意見 |
|
③出展時に使用した資料を用意する
報告書を作成する際は、展示会で使用したほかの資料と併せてまとめておくことがポイントです。
▼報告書と一緒にまとめる資料の例
報告書の用途 | 資料の例 |
社内の情報共有 |
|
外部への情報発信 |
|
社内向けの報告書を作成する際に、展示会の関連資料を一緒にまとめておくと、当日の振り返りができるほか、次回の参考資料として活用しやすくなります。
自社のWebサイトやSNSで発信する際は、当日に配布した資料をダウンロードできるようにしておくと新規のリード獲得につながります。
成果指標(KPI)の記載方法
展示会報告書において注目されるのが、成果報告のセクションです。出展が成功したかどうかを社内に納得してもらうためには、成果を定量的(数値)に可視化し、適切な評価指標(KPI)を用いて記載することが欠かせません。
単に「名刺をたくさん獲得した」という報告だけでは、ビジネスの成果としては不十分です。BtoBマーケティングでは、獲得した名刺が自社のターゲットとどれだけ一致していたかという「ターゲット一致率(リードの質)」を評価し、獲得した名刺が最終的にどれだけ商談化し、成約につながったかという「商談化率」や「受注率」を意識した記載方法が求められます。
また、リード獲得や認知向上など、目的によって設定するKPI(接触数やSNS反響など)は異なるため、出展目的に紐づいた指標を記載することが重要です。
報告書に記載すべき主なKPI
展示会の効果測定を行い、どこで離脱が発生しているかを把握するために、報告書に盛り込みたい代表的なKPIを解説します。
▼主なKPI
KPI | 内容 |
ブース来場者数・タッチ率 | 会場全体の来場者のうち、何人が自社ブースに立ち寄ってくれたか。ブースのレイアウトや通路側へのアプローチ、キャッチコピーの効果測定に活用します。 |
名刺獲得数(総リード数) | ブースで交換した名刺や、バーコードスキャンで取得したデータの総数。リードジェネレーションとしての全体規模を把握します。 |
有効リード数(ターゲット一致率) | 獲得した名刺のうち、自社のターゲット(業種・企業規模・役職など)に合致するリードの件数や割合。名刺の「質」を評価する指標です。 |
有効商談数(温度感の高いリード数) | 名刺のなかでも、具体的な課題をヒアリングでき、後日のアプローチが約束された成約見込みのある顧客の数。リードの品質を評価する指標となります。 |
セミナー参加者数 | ブース内でミニステージやセミナーを実施した場合の着席・立ち見人数。用意したコンテンツの訴求力や、集客スタッフの声掛けスキルの判断材料となります。 |
カタログ・資料配布数 | 用意した販促物が何部刷られて何部破棄されたか。来場者の商材に対する興味関心の度合いや、次回の印刷コストの最適化に役立てます。 |
出展総費用 | 小間料、ブース施工費、ツール制作費、人件費、旅費交通費など、出展にかかったすべてのコストの合計値。 |
ROI(投資対効果)の算出例と中間指標の重要性
展示会の最終的な成果を測るため、報告書には投資対効果(ROI)のシミュレーションを記載します。基本的な算出式は以下のとおりです。

しかし、BtoB商材は検討期間が数ヶ月から1年以上に及ぶことも珍しくありません。展示会が閉幕した直後の報告書の段階では、まだ売上確定値(CV数)が出ていないケースがほとんどです。
そのため、直近の確定売上だけで出展の価値を性急に判断しないことが重要です。報告書の段階では、過去の平均受注単価や商談化率のデータから逆算した「想定見込み案件金額」を記載するか、あるいは「商談化率」「案件化率」といった中間指標(中間KPI)をあわせて追跡し、評価する記述を行います。
短期的な成果と中長期的な育成(ナーチャリング)の双方の視点から評価することで、客観的な費用対効果を社内にアナウンスできるようになります。
なお、展示会の効果測定に用いる指標や具体的な測定方法についてはこちらの記事をご確認ください。
展示会報告書のテンプレート構成例
社内での情報共有のスピードを上げ、過去の出展データとの比較分析を容易にするためには、報告書のフォーマットをテンプレート化しておくことが効果的です。
報告書本体はA4用紙1〜2枚程度に要点をまとめ、アンケートの集計や来場者リストなどの定量データは「別紙添付」として管理するのが、報告書作成のコツとなります。
以下に、実務で活用できる展示会報告書の標準的なテンプレート構成例を記述します。
展示会報告書の標準フォーマット構成案
【展示会出展 報告書】 作成日:2026年7月20日
目標数値に対する達成度を明確に記載します。
事実・所感・意見に分けて、現場で見つかった課題や改善点を具体的に肉付けします。 【事実(起こったこと)】
【所感(スタッフの気づき)】
【意見・次回への改善点(提案)】
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展示会報告書に関するよくある質問
展示会の報告書を作成・運用する際に、実務の現場でよく発生する疑問についてお答えします。
Q1.展示会報告書はいつまでに提出すべきですか?
A. 閉幕後「3営業日以内」、遅くとも「1週間以内」に提出します。
時間がたつと現場スタッフの記憶が曖昧になり、その後の営業アプローチ(フォロー架電など)にも遅れが生じます。会期前にテンプレートの基本項目を埋めておき、終了後は数値と現場の声を追記するだけにしておくと、迅速な提出が可能です。
Q2.報告書は社内共有用と外部発信用で分けるべきですか?
A. 用途に合わせて内容を分けるか、社内用を加工して発信することをおすすめします。
社内用(マネジメント・改善用):出展コスト、リード獲得単価(CPL)、課題などの機密情報を含むため、社内のみで厳重に管理します。
外部用(ブランディング用):費用などのセンシティブな数値は伏せます。展示会のコンセプトや当日の様子(写真)を中心とした「要約版」にし、WebサイトやSNS、株主向けのIR情報、プレスリリースなどの発信に活用します。
まとめ
この記事では、展示会後の成果を最大化するための展示会報告書について、以下の内容を網羅して解説しました。
展示会の報告書とは
5W1Hを用いた展示会報告書の書き方
展示会の報告書を作成する際のポイント
成果指標(KPI)の記載方法
展示会報告書のテンプレート構成例
展示会報告書に関するよくある質問
展示会の報告書は、単なる「参加記録」や「業務報告」ではありません。事実と所感、そして次回への提案を明確に分けて記載し、KPIを用いた定量的な評価を行うことで、はじめて次回の成功につながる「情報資産」となります。
今回ご紹介した5W1Hのフレームワークやテンプレートを活用して、社内の誰もが成果と課題を共有できる質の高い報告書を作成してください。報告のためのレポートで終わらせず、次の成果につなげるレポートを目指してPDCAサイクルを回します。
『ビークス』では、展示会の企画からブースの設計、当日の運営に至るまでをトータルプロデュースいたします。マーケティングの視点から一貫した展示会づくりを行い、来場者の興味関心を惹くアプローチを検討します。
詳しくは、こちらからお問い合わせください。
【展示会出展に役立つ資料をあわせてご覧ください】







