
ショールームとは。企業が設置する目的や役割、来場者の体験価値を高めるポイント
ショールームは、自社の商品・サービスが持つ魅力を顧客に伝える場所として重要な役割を持ちます。来場者の体験価値を高めることで、企業イメージの向上やブランディング、購買行動の促進などの効果につながると期待されます。
一方で、企業が開設するショールームにはさまざまな種類があります。目的や求められる役割を理解したうえでレイアウト・デザインを設計することが大切です。
この記事では、ショールームの種類や目的、設計において求められる役割、来場者の体験価値を高めるポイントについて解説します。
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ショールームとは
ショールームとは、企業が自社の商品・サービスを展示して顧客との接点を生み出すスペースや施設のことです。来場者の対象を企業担当者とするBtoB向け、一般の消費者とするBtoC向けのショールームがあります。
また、ショールームは単なる展示スペースにとどまらず、異なる特徴を持つさまざまな種類が開設されています。
▼ショールームの主な種類
種類 |
概要 |
体験型 |
商品の使用・操作を実際に試せるショールーム |
コンセプト提案型 |
ブランドの価値や世界観を訴求したり、商品を使用したライフスタイルを提案したりするショールーム |
総合型 |
会社紹介ブースや商品展示ブース、商談ブースなどを集約した比較的規模が大きいショールーム |
バーチャル型 |
PCやスマートフォンからアクセスできる、オンライン上の仮想空間に設計したショールーム |
開設方法においては、オフィスに併設するタイプのほか、独立した施設として開設するタイプ、イベントでの特別ブースとして出展するタイプなどがあります。
企業がショールルームを設置する目的
顧客とのつながりを創出できるショールームは、企業のさまざまな目的に応じて開設されています。
▼ショールームを設置する目的
- 認知の拡大
- 顧客体験の向上
- ブランディング
- 営業活動(プレゼンテーション・商談)
- 採用活動や人材育成での活用 など
ショールームの開設は、新たに企業や商品・サービスを知ってもらう機会になり、認知の拡大につなげられます。Webサイトやパンフレットだけでは伝えきれない有益な情報や特別な体験を提供すると、顧客体験の向上が期待できます。
また、魅力やコンセプトが伝わる独自性のあるショールームは、ブランディングにもよい効果が働きます。ブランドのイメージを構築して価値を高めることで、競合他社との差別化を図れます。
さらにショールームは、商品・サービスについて深く知ってもらえる場所となります。営業活動でプレゼンテーション・商談を行ったり、採用活動や人材育成のための説明会、研修を実施したりする際にも活用されます。
ショールームに求められる役割
企業のショールームをマーケティングやブランディング、営業活動などに活用するためには、主に3つの役割を果たすことが求められます。
展示商品に対する理解を深められること
来場者が展示商品への理解を深められるようにすることが求められます。
Webサイトやカタログで確認できる情報を並べるのではなく、商品・サービスの特徴や価値、競合商品との違いなどを分かりやすい方法で伝えることが必要です。
▼展示商品の理解を促進するために必要な要素
- 展示商品の種類・プラン・グレード・性能などの情報が整理されている
- 特徴や強みなどの訴求ポイントが簡潔にまとめられている
- 購入・導入によるベネフィットが分かる
- イラスト・映像・画像があり直感的に情報を理解できる など
世界観やメッセージが直感的に伝わること
ブランドの世界観や企業のメッセージが直感的に伝わることもショールームに求められる役割の一つです。
ショールームの空間づくりにこだわることにより、来場者に展示商品の価値を理解してもらい、企業やブランドに対する共感や信頼の醸成につながります。
▼ショールームの空間づくりに重要となる要素
- ブランドの世界観が視覚的なデザインで表現されている
- 企業の歴史・ビジョン・理念などを分かりやすいメッセージで伝えている など
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魅力的な顧客体験を提供すること
ショールームの来場者に展示商品の価値を理解してもらうためには、魅力的な顧客体験を提供することが求められます。
スムーズな情報収集を行える仕組みや商品の使用体験を提供することで、来場者の興味関心を喚起できるほか、ショールームに対する満足度の向上につながります。
▼顧客体験価値を高めるための要素
- 使い勝手や機能を実際に体験してイメージを持ってもらう
- 来場者が快適に過ごせるスペースや環境をつくる
- 不明点や疑問を解決するための情報提供をスタッフがサポートする など
ショールームの設計で来場者の体験価値を高めるポイント
企業がショールームの設計を依頼する際は、事業者との打ち合わせで綿密な情報共有を行いながら進めることが大切です。来場者の体験価値を高めるために押さえておくポイントには、以下の3つが挙げられます。
➀コンセプトを明確にする
ショールームを開設する目的に合わせた空間づくりを行うために、コンセプトを明確にすることがポイントです。
コンセプトを明確にすることで、「どのような来場者に何を伝えるのか」といった方針が定まり、来場者の課題・ニーズを捉えた情報提供や心に響く空間づくりが可能になります。
商品の価値やブランドの世界観、企業のメッセージなどを空間全体で表現するためにも、コンセプトを設定して訴求方法に一貫性を持たせることが必要です。
②自発的なアクションを促す仕掛けを取り入れる
展示商品の理解を促進して興味関心を高めるために、自発的なアクションを促す仕掛けを取り入れることもポイントの一つです。
“歩いて見て回る”といった要素に加えて、“触る”“操作する”といったインタラクティブ性を盛り込むことで、来場者の体験価値を高められます。
▼来場者のアクションを促す仕掛けの例
- タッチパネルで商品情報や料金シミュレーションの機能を提供する
- Q&Aに対応するAIチャットボットを設置する
- ARやVRを利用したバーチャル体験コーナーを導入する など
コミュニケーションデザインを踏まえた動線を設計する
ショールームの動線設計では、“コミュニケーションデザイン”の観点を取り入れることが重要です。コミュニケーションデザインは、“誰に・何を・いつ・どのように伝えるか”を設計することを指します。
動線を考える際は、スムーズな理解を促せるように情報提供のプロセスを設計するとともに、来場者の共感や行動変容を促すアプローチを行うことがポイントです。
▼動線設計のポイント
- 商品の説明が自然に理解しやすい展示順に配置する
- 来場者が必要な情報にスムーズに辿り着けるように空間をゾーイングする
- 能動的に情報を取得できる二次元コードやタブレットを設置する など
ショールームのデザイン設計については、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、ショールームについて以下の内容を解説しました。
- ショールームの概要
- 企業がショールルームを設置する目的
- ショールームに求められる役割
- ショールームの設計で来場者の体験価値を高めるポイント
ショールームは、自社の商品・サービスを展示して来場者に対して魅力や世界観を伝えられる場所になります。顧客とつながる機会を最大限に生かすためには、展示商品の見せ方や動線を考慮して来場者の体験価値を高めることが重要です。
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