展示会(オンライン・オフライン)の効果的な見せ方と参加者の目を惹くポイント
展示会の出展において自社ブースへの集客を左右するのが、“商材の見せ方”です。
競合他社が数多く出展するなかで自社ブースへと足を運んでもらうには、参加者の目を惹きつけて思わず立ち寄りたくなるような見せ方に工夫する必要があります。
オフライン・オンライン展示会の出展を控える企業担当者のなかには「商材を魅力的に見せるアイデアはないか」「興味関心を喚起するポイントはあるか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会の効果的な見せ方と参加者の目を惹く見せ方のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.展示会(オフライン・オンライン)の効果的な見せ方
- 1.1.コンセプトをデザインに落とし込む
- 1.2.統一感のある配色を選ぶ
- 1.3.商材を訴求するキャッチコピーを提示する
- 1.4.商材を見やすく・分かりやすく配置する
- 1.5.販促ツールを活用する
- 1.6.動画や音楽で五感に訴求する
- 2.参加者の目を惹く見せ方のポイント
- 2.1.①参加者の心理を考える
- 2.2.②派手過ぎる装飾は避ける
- 2.3.③スムーズに見て回れる動線をつくる
- 3.まとめ
展示会(オフライン・オンライン)の効果的な見せ方
展示会で自社ブースへの集客を促すには、ブース前を通るわずかな時間で参加者の興味関心を惹きつける必要があります。ここでは、オフライン・オンラインともに共通する展示会の効果的な見せ方について解説します。
コンセプトをデザインに落とし込む
展示会のブースやディスプレイ、看板などのデザインには、商材のコンセプトを落とし込む必要があります。
商材のコンセプトを定めてそれを表現する色やフォント、画像などのデザインを考えることで、どのような商材かを直感的に理解してもらえるほか、印象に残りやすくなります。
また、コンセプトが反映された展示ブースはブランドのイメージを視覚的に訴求できることから、同じ系統の商材を展開する競合他社との差別化を図れます。
コンセプトを具体化させる際は、商材の特性とターゲット層を分析して、与えたい世界観・印象を色やモチーフなどで表現することがポイントです。
統一感のある配色を選ぶ
展示ブースを設計する際は、商材のコンセプトやブランドの世界観に合った配色を選び、全体の雰囲気に統一感を持たせることが重要です。
色には人の心理や感情に働きかける効果があり、感じ方や第一印象が変わります。視覚的な要素で商材の特徴・魅力を表現することで、参加者への印象づけやイメージの向上を図れます。
▼配色を選ぶ際のポイント
- 企業や商材のイメージカラーを基調に、ブース装飾のトーン・マナーを合わせる
- 雑多な印象を与えないように配色の色数は3色程度に絞る
- 明度差を意識して訴求したいポイントを目立たせる
- ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーのバランスを考える
商材を訴求するキャッチコピーを提示する
参加者が瞬時に商材の特性を理解できるように、キャッチコピーを展示ブースに提示する必要があります。
商材をただ展示したり、詳しい説明だけを記載したりするだけではどのような商品なのかイメージがつかみにくくなり、興味・関心を惹くことは難しくなります。
商材の特性を分かりやすくシンプルに表したキャッチコピーを提示することで、直感的な理解を促せます。
▼キャッチコピーを作成するコツ
- ターゲット層が持つ課題・ニーズを言語化して共感を醸成する
- 商材の利用を通して得られるベネフィットを具体的な数字で示す
- 競合他社との違いや自社の優位性・希少性などを言語化する
訴求したいメッセージがひと目で伝わるように、“誰に向けた商品なのか”“何を解決できるのか”などを抽象的な言葉ではなく具体的に示すことが重要です。
なお、展示会のキャッチコピー例についてはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
商材を見やすく・分かりやすく配置する
展示する商材は参加者にとって見やすく・分かりやすく配置する必要があります。
複数の商材を提示する場合、カテゴリやグレードなどに分類されていなかったり、主要商品が分かりにくかったりすると参加者の目にとまりにくくなります。
ブースのレイアウトやディスプレイを考える際は、“何の商品がどこに展示されているのか”をすぐに理解できる配置や陳列方法にすることが重要です。
▼商品を見やすく・分かりやすく配置するコツ
- 売り込みたいメイン商材を展示ブースの正面や中央に設置して、装飾・照明で際立たせる
- ディスプレイの什器や配色によって商材のカテゴリを視覚的に区分する
- 展示台にシリーズや価格帯などを図式化したパネルを設置する
- 展示する商材の数を絞り、余白を持たせて陳列する
販促ツールを活用する
商材への理解を深めて興味関心を高めるには、販促ツールの活用が有効です。
▼販促物の活用方法
販促物 |
活用方法 |
チラシ・フライヤー |
自社ブースの前で配布してブース内へ誘導する |
パンフレット |
ブース内に設置して、商材の情報をその場で調べてもらう、または持ち帰って改めて検討してもらう |
ノベルティ |
事前に配布の告知をして自社ブースを訪れてもらう |
ディスプレイ什器 |
商材を魅力的に見せたり、際立たせたりする |
参加者が自由に取れるチラシやパンフレットをブースに設置する場合は、目につきやすく、手に取りやすい場所を選ぶことが重要です。オンライン展示会の場合は、資料やパンフレットのダウンロードとともにノベルティを送ると、企業名・商材名を覚えてもらいやすくなります。
なお、ノベルティについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
動画や音楽で五感に訴求する
動画や音楽を活用して、参加者の視覚と聴覚に訴えかけることも有効です。
動きのある動画コンテンツは、参加者の視線を集めやすいほか、静止画よりも短時間で多くの情報を伝えられます。そのため、文章や写真だけでは伝わりにくい情報も直感的に理解してもらいやすくなります。
また、音楽を自社ブースや動画内で流すと、商材のコンセプトや世界観を表現した空間演出ができます。
▼動画・音楽の活用例
- ブースの入り口で企業やブランドを紹介するPR動画を流す
- 商材の展示スペースで利用方法や活用シーンを説明する動画を流す
- 商材のコンセプトを表現したBGMを流して印象付けを行う
なお、展示会の動画制作についてはこちらの記事で解説しています。
参加者の目を惹く見せ方のポイント
参加者の目を引く展示ブースをつくるには、興味関心の対象やブース内での行動・心理を踏まえて見せ方を考えることがポイントです。
①参加者の心理を考える
参加者の心理を考えたうえで、商材を展示する順番やディスプレイの仕方などを検討することが重要です。
展示会に訪れる参加者は、複数のブースを見て効率的に情報収集を行います。自社ブースで足を止めてもらうには、ひと目で「自社の役に立ちそう」「面白そう」と思ってもらう必要があります。
例えば、新商品をアピールしたい場合であっても、商材の認知度が低ければ参加者の興味関心が薄く集客ができない可能性があります。参加者が興味関心を持っている従来の商品を提示したうえで、新商品の変更点を訴求することが有効です。
②派手過ぎる装飾は避ける
自社の展示ブースを目立たせようとして派手過ぎる装飾にすると、企業や商品のコンセプトと統一感がなくなり、イメージを損ってしまう可能性があります。
ブースの装飾を考える際は、見た目のインパクトだけを重視せず、商品の魅力や強みを視覚的に訴求することがポイントです。そこで活用できるのが“VMD(Visual Merchandising:商品化計画)の考え方です。
VMDとは、商品を見やすく・分かりやすく・選びやすく見せるとともに、視覚的な要素で魅力や強みをアピールすることを指します。VMDを意識した見せ方を考えることで、展示ブースへの集客や興味関心の向上につながると期待できます。
▼VMDの手法と展示ブースの見せ方
手法 |
概要 |
目的 |
VP(Visual Presentation) |
企業・ブランド・商品のイメージやテーマを視覚的に表現する |
展示ブースの注目を集めて、集客を促す |
PP(Point of Sales Presentation) |
売り出したい主要商品や人気商品を視覚的にアピールする |
配置場所やレイアウトを改善して、回遊性・滞在時間を向上させる |
IP(Item Presentation) |
商品を分類・整理して、選びやすいように陳列・配列する |
商品を種類や価格などに分けて、比較検討、購買行動につなげる |
③スムーズに見て回れる動線をつくる
参加者をブース内に誘導して、スムーズに回遊しながら商材への興味関心を高められる動線をつくることもポイントの一つです。
参加者がブースに訪れてから購買決定に至るまでの心理的なプロセスを意識して、見て欲しい順番で商材をアピールすることで参加者のアクションを促せます。
心理的なプロセスを意識した動線設計には、“AIDMA(アイドマ)”のフレームワークを活用できます。
AIDMAとは、消費者の購買決定に至るまでの心理的なプロセスを5つに分類したフレームワークです。展示ブースのデザイン・キャッチコピーを考える際や、購買行動を踏まえたレイアウトを設計する際に役立ちます。
▼AIDMAによるプロセス
プロセス |
動線設計のポイント |
Attention(注意) |
商材やブースの注目を集める |
Interest(関心) |
商材に興味を持ってもらう |
Desire(欲求) |
商材の必要性やニーズを顕在化する |
Memory(記憶) |
商材や企業・ブランドを印象づける |
Action(行動) |
商談やアポイントメントの獲得につなげる |
なお、オンライン展示会の場合は、商材の訴求だけでなく問い合わせ先や資料請求先も自然に促せる動線をつくることも欠かせません。
まとめ
この記事では、展示会の効果的な見せ方について以下の内容を解説しました。
- 展示会(オフライン・オンライン)の効果的な見せ方
- 参加者の目を惹く見せ方のポイント
展示会で成果につなげるには、参加者の目を惹きつけて商材に対する興味関心を高める見せ方に工夫する必要があります。
商材のコンセプトを具体化してデザインや配色に落とし込むとともに、キャッチコピーを提示する、見やすく分類して配置する、販促ツールや動画・音楽を活用することがポイントです。
また、参加者の心理・行動を意識したうえで、必要な情報を順序立てて提示したり、自然にアクションを促せる動線を設計したりすることも重要といえます。
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